甘酒から紐解く栄養学の基本~甘酒も食べ物なので栄養学から離れられない~

甘酒には酒粕甘酒と米麹甘酒があることを、僕のサイトをご覧になっている皆様なら知っていることでしょう。ひとくくりに甘酒と言いますが、甘酒も食べ物ですので、口にするときは、栄養や機能性、カロリーなんて言葉が頭をよぎると思います。今回は、甘酒の栄養素や機能性の話をするのに必須な栄養学の基礎をお話します。

栄養学の基礎~食品の一般成分(大多数を占める成分)~

食品の一般成分とは、食品を構成する成分の中で多くの割合を占めている物質で、販売されている食品の裏書に栄養成分表示として必ず記載されているものになります。特に、炭水化物、タンパク質、脂質は主要なエネルギー源であり、炭水化物4kcal/g、タンパク質4kcal/g、脂質9kcal/gを基にカロリー計算が行われて記載されています。

栄養学の基礎~『5大栄養素』と『機能性物質』とは~

まず、栄養素とは何かの説明をします。栄養素とは『僕らの生命を維持するのに必須の物質』の事を指します。そして、生命を維持するのに必須の物質の役割は、生体の構成成分、エネルギー源や代謝調整などの働きをする事です。これが、私たちが良く知る5大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン類、無機質(ミネラル)なのです。この中で、炭水化物、タンパク質、脂質は私たちの生命活動を維持するエネルギー源になったり、体を構成する素材になるものです。ビタミン類は上記三つの有機物に当てはまらない、補助の役割をする有機物、ミネラルは無機物で補助の役割などをするものです。繰り返しますが、これら5つの成分は必須です。

しかし、現在はこの5大栄養素以外にも機能性物質なんて言われているものがあります。これらは非栄養素と言い、『生命を維持するのに必須ではないけれど、何かしらの機能を発揮している物質』の事を指します。つまり、必須ではないのだけれど何かしらの良い働きをしてくれる物質の事です。代表的なものは、植物由来のフィトケミカルポリフェノール、カロテノイド、硫黄化合物)、タンパク質類(コラーゲンやラクトフェリンなどのタンパク質、血圧降下作用のあるペプチド、タウリンやGABAなどのアミノ酸)、ビタミン様物質(コエンザイムQ10、イノシトール、カルニチンなど)、食物繊維がそれに該当します。

 

食品の機能性にばかり着目した最近の食品

機能性を特化させて、その効果を掲げれば、確かに高く売れますし、その商品の売りになると思います。しかし、食品の機能ばかりに着目し、そこだけ特化させていくとなると、それはもう食品ではなく医薬品ではないでしょうか。ここで、一つ食品の役割を挙げます。

最近は不味いものは少しずつ減ってきた気がしますが、提供する側も受ける側も食品の役割の中でも優先順位が低い機能性にばかり目が行っている気がします。食品はあくまで食品として栄養があり嗜好性に優れた上に機能性を付随させて欲しいというのが、僕個人の意見です。

食事をバランスよく食べて、病気を予防し、健康に生きるという『医食同源』が食品の取るべき立ち位置で、特化した効果効能は医薬品や医療分野に任せるべきかなと思います。それでも需要があれば供給することで経済を回すのが当然の世の中なので、あくまで僕の考えは個人的なものです。

 

まとめ

あくまで食品はその役割を忘れずにいてほしい。その説明のためには基本的な栄養学の話をしておこうと思い、この記事を作りました。

この食品の役割をバランスよく採っているのが、古くから微生物利用の技術を発展させてきた発酵食品の分野で、医薬の分野でも研究され、技術やデータが盛んに活用されています。

そして、発酵食品の甘酒も栄養源としてバランスよく、嗜好性も機能性もある食品なので、日本を代表する麹文化の基本的な飲み物として、美味しいものを普及させたいと思っています。甘酒も機能性ばかりに特化して不味くなりませんようにと切に願う次第です(笑)


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