甘酒との所縁
横浜市旭区の甘酒の庚申塔は、1693年(元禄6年)に建てられた、青面金剛の庚申塔です。
現地の「甘酒の庚申塔」の説明書きのポールには、「おたふく風邪にご利益があり、甘酒が好きな庚申塔として人々に信仰され、甘酒をもってお参りする人々がいました。」と記載がありました。
元禄前後のおたふく風邪の記録を調べてみると、1691年(元禄4年)に刊行された松尾芭蕉監修の句集「猿蓑(さるみの)」に以下の句が残されていました。
こがらしや頬腫痛む人の顔
もしかしたら、近しい時期におたふく風邪が流行し、それを治める願いを込めて庚申塔を建て、甘酒を供えていたのかもしれませんね。
甘酒の庚申塔の感想
相鉄バスの立丁場バス停を下車して徒歩約2分、中堀川プロムナードを抜けて少し登った坂道の中腹にあります。意識せずに歩くと、石像が奉られているな…としか思えない雰囲気。
「甘酒の庚申塔」と主張するのポールが出迎えてくれ、そこが目的地だとすぐにわかりました。
石像はよく見ると、元禄6年(西暦1693年)の癸酉(みずのととり:西暦を60で割って13余る年)の9月19日と刻印されており、また見ざる聞かざる言わざるの3匹の猿が彫られている。
この地にも確かな甘酒の痕跡があった事をしみじみと感じつつ、その地を後にしました。
甘酒庚申塔の情報
最寄り駅:相鉄バス旭10・11系統「立丁場」下車徒歩2分
住所:神奈川県横浜市旭区上白根町280−5
横浜市旭区HP:https://www.city.yokohama.lg.jp/asahi/shokai/rekishi/shiseki/amazakenokousinntou.html