甘酒祭4:京都府京都市の梅宮大社の甘酒祭り

甘酒との由来

梅宮大社は日本中の梅宮神社の総本社で、主祭神は父神:酒解神(サカトケノカミ:大山祇命)、娘神:酒解子神(サカトケゴノカミ:木花咲耶姫)、旦那神:大若子神(オオワクゴノカミ:瓊瓊杵尊)、小若子神(コワクゴノカミ:彦火々出見命:ひこほほでみのみこと:山幸彦:ホオリ)です。この神社は、酒造の神様を祀る神社で、境内の手水舎の脇に酒樽が積んであり、各酒造家さんの名を刻んだものが並んでいます。

また猫が沢山いる神社としても有名で、白猫、黒猫、キジ猫、サビ虎猫と、色々な色合いの子達がおります。

 

 

 

ここ梅宮大社の起源は奈良時代(710~794年)前期で、平安時代前期の第52代嵯峨天皇(809~823年)の頃に現在の場所に移られ、900年代に施行された延喜式神名帳にも記されている歴史ある神社です。

祀られている4神は父、その娘、娘の婿、孫の関係で、娘の木花咲耶姫命が日本書紀に記されてる甘酒の起源と言われている天甜酒を造った神様、父の大山祇命が娘の出産祝いに酒を造った神様です。

この甘酒祭りは、酒造家さんの醸造業繁栄を祈願するお祭りで、醸造期の酒造の酒粕を用いた酒粕甘酒が参拝者に振舞われます。

 

梅宮大社の甘酒祭りの感想

祭りの始まりは、9:00からで、本日は2018年2月11日日曜日、休日にもかかわらず人は凄く少ない。小雨が降る中、宮司さんによって祭典が執り行われました。太鼓を叩き、神言葉を唱え、笛を吹き、そしてさすが酒造の神様を祀る神社だけあり、各醸造元の名前を宮司さんが読み上げていきます。

祭壇中央に御神酒が献上され、通路左にも同様の容器に入れられた御神酒が用意されており、祈祷に参加された方に配られていました。

宮司さんがインタビューされてる所を目の当たりにしました!
『梅宮大社の主祭神は酒造の祖神、最初にお米からお酒を造った神様で、この神様の娘が子供を産んだ祝いにお酒を造った。昔は神社でお酒を造り振る舞っていたが、明治に官幣社になってから、酒造許可がなくなかった。埼玉県の梅宮神社は酒造許可が残っており、今も造っている。厄除け、健康増進に甘酒を美味しく頂いて欲しい』
と締めくくっていました。また、この時期は庭園には雲龍梅という梅が綺麗に咲いているそうです。

明治時代に酒造許可がなくなったとの宮司さんのお話しがありましたが、戊辰戦争で掛かった戦費を賄うために、明治8年に酒類税を課し、酒造りの管理が始まり、この頃に多くの神社が酒造りを辞め、酒屋から調達するようになったとの見解があります。明治35年には国の財政の42%を酒税が占めていたそうです。

梅宮大社の甘酒は、純粋な酒粕甘酒で鍋の蓋をあけるとフワッと酒粕の香りが立ちます。味わいは、香りが酒粕と生姜の香り、風味も同じくだが、おろし生姜の癖のない香りが嬉しい。甘味は濃くなくやや薄め寄り、旨味は酒粕の旨味が程よく、飲みやすいです。薄めの甘酒なのに、これが非常に飲み易い一品です。

 

甘酒祭りの情報

開催日:2月11日に開催(祭典が9:00、甘酒配布は9:30~16:30
最寄り駅:バス停の梅宮大社前から徒歩3分、阪急嵐山線の松尾大社駅から徒歩12分
住所:京都府京都市右京区梅津フケノ川町30

梅宮大社HPのURL:http://www.umenomiya.or.jp/

参考HP(神社人)のURL:http://jinjajin.jp/modules/newdb/detail.php?id=2559

参考HP(京都観光・旅行)のURL:

http://kyototravel.info/%E6%A2%85%E5%AE%AE%E5%A4%A7%E7%A4%BE%E7%94%98%E9%85%92%E7%A5%AD

参考文献
・神様が宿る御神酒/神宮館/著・大浦春堂(p36、149)