祭事・所縁の地17:埼玉県川越市の下老袋氷川神社の弓取式と甘酒祭

下老袋氷川神社の弓取式と甘酒祭

甘酒との所縁

下老袋氷川神社について

下老袋氷川神社は、入間川と荒川が合流する近隣に位置する上・中・下老袋と東本宿の鎮守として鎮座しています。

当社は埼玉県大宮市高鼻町の氷川神社を総本社する旧武蔵国(埼玉県・東京都・神奈川県の川崎市と横浜市)に広く分布する分社の一社で、御祭神は大己貴命(大国主)、須佐之男命、櫛稲田姫命の三神で、総じて氷川大明神とも言われています。

 

下老袋の弓取式と甘酒祭の起源

祭礼の起源は不詳ですが、2月11日の祭事は、弓取式、甘酒祭、豆腐刺し(豆腐田楽)の三部で構成されています。

昔は甘酒ではなく濁酒であったようで、甘酒への移り変わりは酒類の密造に対する取締が厳しくなった頃であまたことがわかり、明治頃に酒税法の取締が厳しくなった頃かと考えられますが、それ以前はどうであったかは不明です。

本神事は、その年の天候を占い、豊年を祈る予祝行事であるとされています。

祭の流れは、弓取(地区総代)および弓取っ児(子供)、甘酒や豆腐田楽などの御神饌が列を成して社殿に進み、式典を執り行った後に、弓取式を行い、それが終わると直会の儀式として参列者に甘酒と豆腐田楽を配ります。

祭事を構成する弓取式、甘酒祭、豆腐刺しをもう少し詳しく説明します。

 

弓取式

下老袋氷川神社の弓取式弓取式は、茣蓙に掛けられた白黒の的に矢を射ることで、その年の春から秋に掛けての天気を占うものです。

白は晴れを、黒は曇りまたは雨を表しています。

5名の弓取(地区総代)が各季節ごとに、3本の矢を3回射って、白と黒の数を集計し、白が多ければ晴れ、黒が多いと悪天候とされます。

昔は、子供が弓取っ児(長男)として、弓取に抱えられながら矢を射っていたそうで、神様の神意を伺うには子供の方が適していたからという理由だそうですが、現在は選出された子供が何かしらの儀式に携わっている様子は見られませんでした。 

この神事は埼玉県指定の無形民俗文化財に登録されています。

 

甘酒祭(アマサケマチ)

下老袋氷川神社の弓取式と甘酒祭の酒樽の甘酒甘酒神事は、下老袋が主催し、東本宿が援助する習わしとなっています。下老袋は4地区に分けられ、いずれかの地区がその年の当番を担当します。

甘酒祭の名称は、御神饌である甘酒が目立つためにこの様な名称でも呼ばれているそうで、実際に2つの酒樽に入れて担がれて登場する甘酒は圧巻です!

そして、この甘酒を飲むと、その年一年風邪をひかないと言われています。

この病払いの甘酒の伝承は、どこの地域でも良く聞かれるものです。

 

豆腐刺し(トウフサシ)

下老袋氷川神社の弓取式と甘酒祭の豆腐田楽 (2)豆腐刺しは、中老袋が担当し、上老袋が援助する習わしとなっています。

大きな竹串に刺された四角柱にカットされた豆腐、これに味噌ダレを塗った豆腐田楽という特殊神饌が出されます。この田楽も参加者の健康を祈って食べられます。

 

弓取式と甘酒祭の感想

下老袋氷川神社の弓取式と甘酒祭(2019年)本日は2019年2月11日(月)で、空は曇り空、そして非常に冷え込んでおり、気温は1℃、激寒です笑

暦上は3月から春だけど、まだまだ春は遠い…そんな事を思い知らされた日でした。

下老袋氷川神社の弓取式と甘酒祭 (2)下老袋氷川神社の弓取式と甘酒祭 (3)下老袋氷川神社の弓取式と甘酒祭の甘酒神輿下老袋氷川神社の弓取式と甘酒祭の豆腐田楽
9:20に鳥居から社殿に向けて、弓取(地区総代)および弓取っ児(子供)、甘酒や豆腐田楽などの御神饌が列を成して社殿に移動します。甘酒の入った樽の神輿や担ぎ上げられた豆腐田楽の桶が目の前を通り過ぎていきます。

下老袋氷川神社の弓取式と甘酒祭の的準備9:30から社殿にて粛々と式典が執り行われ、社殿の外ではブルブル震える参拝客や氏子の方々が集まっています。そんな中、社殿の脇では弓取式の的の設置が行われていました。

 

 

 

下老袋氷川神社の弓取式9:55から社殿の外で弓取式が執り行われました。社殿から弓取式の間の時間、着物姿の弓取(地域総代)の方々は、どう見ても薄手で、みんなブルブル震えていました…

そんな沈黙を破り、司会進行の合図とともに放たれる矢!が、しかし、的をきちんと刺さる矢は少なく、大体が的を突き抜けるか、弾かれて地面に落ちるかでした(笑)

気になる今年の春~秋の天候占いの結果ですが、

・春は晴れ(白が多かった)

・夏は曇りまたは雨(黒が多かった)

・秋は曇りまたは雨(黒が多かった)

となりました。きっと梅雨や秋雨はしっかりとした雨が降り、水不足の心配はなさそうですが、作物の実り的にはどうなのでしょうか?

下老袋氷川神社の弓取式と甘酒祭の甘酒配布10:15から直会として、甘酒や豆腐田楽が参拝者に配られていきます。甘酒はもわもわと暖かげな湯気を立ち上げ、全身冷え切った参拝者がそこに群がっていきます。

甘酒…なかなかに熱い…この熱さが凄く嬉しい。五臓六腑に染み渡る甘酒の美味さと暖かさで一息付くと、祭はほぼ終わりの様相。

 

下老袋氷川神社の弓取式と甘酒祭のくらづくり本舗のあわ大福社殿から離れた位置で『くらづくり本舗』の『あわ大福』の配布が始まり、群衆がどっと流れていくと、社殿では手早く片づけが行われていき、10:30には祭は終わりました。

 

 

 

川越市役所の老袋の弓取式のページを拝見したとき、終了は11:30となっていましたが、思いの外に早くて驚きました。

昔と比べて変わっていることも多いかと思いましたが、それでも行事の流れは大事に受け継がれている様子を感じることができた祭でした。

 

弓取式と甘酒祭の情報

開催日:2月11日に開催(9:30から神事、その後に弓取式と甘酒祭、11:30に終了予定(実際は10時半に終了))

最寄り駅:川越駅(東口)からバス(川越運動公園行き)で21分のトワーム小江戸病院入口下車、徒歩10分

住所:埼玉県川越市下老袋732

川越市役所HP:老袋の弓取式