黒ぶ〜Logその9:貴醸酒というお酒と『しおり』

こんにちは!

甘酒探求家黒猫クロぶーです。今回は昨日の『貴醸酒というお酒は古代の酒!?』に引き続き、貴醸酒に関するコメントより、『しおり』というキーワードに関して話をしていこうと思います。

現在の酒は、酒母造りから、醪造りを行い、高濃度のアルコール度数18~20度を実現させています。しかし、古代の酒は酒母造りはまだなく、醪造りをすぐに行っていた為、一度の発酵で高いアルコール度数の酒を得ることが出来なかったそうです。

そこで、行われたのが『しほり』という方法で一度発酵させて得られた酒を絞り、そこに米と米麹を加えて発酵させ、さらに絞って酒を得るという方法で徐々にアルコール度数の高い酒にしていたそうです。

実はこの『しほり』という方法で仕込んだ酒が古事記にも表れており、須佐之男命が八岐大蛇を討伐した際に用いた『ヤシホリノサケ』がそれにあたるそうです。この酒は8回も絞りと仕込みを行った高濃度の酒だったそうです。

 

つまり、この『しほり』は、アルコール濃度の高い酒を得るために行われた方法で、醴酒の様な一夜酒の様に、糖化工程だけを経た酒とは異なるという事です。まぁ、しほりで高濃度のアルコールを得た末に、醴酒の仕込みの原材料として使っていたであろうとは思われます。

 

まとめると貴醸酒は、味醂に似ているけど糖化工程だけではなく、醴酒に似ているけど一夜で出来る一夜酒ではなく、工程に『しほり』に似た発想を取り入れているけど、目的は異なる。そのような酒ではあるけれど、お酒の性質自体は古代の酒に似ているという面白い商品だと思います。

 

ブログ記事4で紹介した酸基醴酛造りの『醴(RAI)』と同じく、このお酒も飲むリストに追加必須のオススメ品だと思います。

 

貴醸酒のお話は昨日と今日でおしまいになります。読んでいただきありがとうございました!


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