最近、巷では甘酒がダイエットに良い、美容や健康にいいなんて言われていますが、実際はどうなのでしょうか?
今回は、このことを考えるべく栄養学的な側面からまずは甘酒とお粥(御飯)の差を見ていこうと思います。
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お粥(御飯)と甘酒はどちらがカロリーが高いのか?
御飯(炊飯米)と甘酒のカロリーどちらが高いのか気になるかと思います。しかし、ここで単純に御飯(炊飯米)を比較するとあまりにも水分量に差がある為、比較になりません。
そこで、まず『七訂食品成分表』に記載のある市販甘酒の項目の水分量79.7gを基準に、御飯の水分量を増やして、お粥として記載しました。
つまり、甘酒と御飯の水分量を同じにすることで、残った固形分の差を比較していこうという事です。
お粥と市販甘酒の比較
甘さの素である炭水化物量とカロリーに着目し、双方を比較すると、
・お粥が炭水化物量18.83gでエネルギーが85.3kcal
・市販甘酒が炭水化物量18.30gでエネルギーが81kcal
となります。なんと!甘くないお粥と甘い甘酒なのに、カロリーにはあまり差がない事が分かります。
市販甘酒と米麹甘酒(米麹から換算)の比較
次に市販甘酒が、家で米麹を使って造る甘酒と差があるのか確認しようと思います。
先程と同じく、両者の炭水化物量とカロリーに着目し、比較を行うと、
・市販甘酒が炭水化物量18.30gでエネルギーが81kcal
・米麹甘酒が炭水化物量17.90gでエネルギーが86.7kcal
となり、市販甘酒の項目と、米麹甘酒(米麹から換算)にも大きな差がないことが分かります。
つまり、米麹甘酒とお粥にカロリーの差はないということになります。
御飯よりも甘酒の方がカロリーが低い理由
では、最後に御飯よりも甘酒の方がカロリーが低いと言われている理由に迫ります。
表には記載されていませんが、普通に食べている御飯100gの炭水化物量とカロリーは、36.1gと168.0kcalです。今回、表に記載したお粥のデータはこの御飯のデータの水分量を調整して計算しています。
つまり、甘酒よりも御飯の方がカロリーが高い理由は、単純に御飯の方が水分量が少ないからという理由になります。御飯も水を足してお粥にしてしまえば、甘酒と差がありません!
御飯の代わりに同量の甘酒一杯だけにするとカロリーが控えめと言われている訳は、甘酒の方が水分量が多い為、御飯よりもカロリーが低いという話なのです。
ここでは、詳しくは書きませんでしたが、炭水化物量とカロリーに差がないお粥と甘酒の甘さの差については『甘い甘酒と甘くないお粥(ご飯)のカロリーに差はない~なぜ甘酒は甘く感じるのか~』にて詳しく説明しております!
【参考文献】
日本食品成分表2015年版(七訂)本表編/2016年2月15日第1版第1刷発行/医歯薬出版編
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