米麹を用いた甘酒には原材料の配分により、3つの造り方に分類する事ができます。またこの原材料の種類を米以外のものにすると、さらにバリエーションを増やすことができます。そしてさらに甘酒を造る時は55~60℃と高い温度で糖化しますが、糖化を終えて甘酒を冷ました後に乳酸菌による乳酸発酵をすることもあります。この分類を理解すると市販の甘酒のラベルのキーワードを見る事でどんな甘酒なのかを理解する事ができます。
注目すべき点は3つで、原材料の配分、原材料の種類、乳酸発酵の有無です。
Contents
原材料の配分~造り方によって変わる米麹甘酒の名称と商品の姿~
甘酒の造り方で一般的に多い造り方は、
米+米麹+水=米麹甘酒
このイコールを挟んで左側の原材料の配分を変える事で様々な甘酒を造ることができます。
①米をお粥状に炊き、米麹を加えて造る場合を『薄造り』と言います。一般的に多いのはこの甘酒です。
②米を用いず、米麹に水を加えて造る場合を『早造り』と言い、商品名には、『全麹仕込み』や『麹だけで仕込んだ』など付けられています。
③米を普通の炊飯米くらいに炊き、米麹を加えて造る場合を『硬造り』と言い、ドロドロのジャム状の甘酒を造ることが出来ます。食べる甘酒とか、甘酒ジャム、糀ジャムいった名前で基本売られています。また、濃縮タイプと記載された甘酒は厳密には、このタイプではありませんが、製品の性質を考えると似たようなものなのでこちらに一先ずはカテゴライズしようかと思います。
原材料の種類~原材料によって変わる米麹甘酒の名称と商品の性質~
原材料の配分の項目で説明した一般的に多い甘酒の造り方は、
米+米麹+水=米麹甘酒
でこれを基本にこの項目では説明をしていきます。
ここで米を原材料と置き換えますと
原材料+原材料麹+水=原材料名もしくは原材料麹名を冠した甘酒
となります。
原材料は、米、玄米(発芽玄米含む)、雑穀(ひえ、あわ、きび、小豆、胡麻、緑豆など)などがあります。これにプラスしてブランド名(こしひかり、ゆめぴりか)、酒造米の山田錦や美山錦などの名称を冠することもあります。例えば、8穀や16穀甘酒(雑穀甘酒)、玄米甘酒や酒造米を用いた甘酒などとなります。
麹の原材料も普通の米以外のものが用いられる事があります。玄米で造った麹(玄米麹)、酒造米で造った麹など、原材料の所で説明したのと同様に何を使ったのかで、その名前を冠した麹名になる事があります。
さらに麹を造る時の麹菌も勿論、原材料です!
麹を造る時の麹菌の菌種を何にしたのかで、黄麹(一般的な麹)、白麹(クエン酸で酸っぱい)、黒麹(クエン酸で酸っぱい)と麹の種類が増え、一般的に白麹と黒麹の商品は『酸っぱい』、『クエン酸の』、『白麹の』、『黒~』などの名前を冠しています。黄麹は一般的な麹菌種ですので、その商品は特に何かの名称を冠している所を見たことはありません。
乳酸発酵の有無~乳酸菌のおかげでさらに増える米麹甘酒の名称と商品の性質~
最後に乳酸発酵の有無です。乳酸菌は基本的に甘酒を造る時の55~60℃の温度では増えることのできない生き物なので、甘酒を造り終えた後に、乳酸菌による乳酸発酵を行うことになります。
乳酸発酵をすると、ヨーグルトでお馴染みの酸味である乳酸が造られるので、『酸っぱい』、『乳酸の』、『乳酸菌の』、『ジャパニーズヨーグルト』などといった名前を冠しています。
ジャンルは乳酸発酵甘酒として確立されつつあります。
まとめ
最後に、米麹甘酒の種類と製品の性質は、原材料の配分、原材料の種類、乳酸発酵の有無の3つで大体説明することができます。3つの要点はそれぞれ独立しているわけではなく、相互に組み合わされた商品設計がなされていますが、ラベルに書かれていることの大体のことはこの3つで説明がつきますので、参考にしてみてください。
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