甘酒の基礎3:甘酒の種類~甘酒は大きく分けて3種類存在する~

甘酒とは、日本古来から飲まれている甘味飲料で、主に米麹を使用したものと、酒粕を使用したもの、さらに米麹と酒粕の両方を使用したものがあります。今回は基本の酒粕甘酒と米麹甘酒の違いをお伝えいたします。

日本酒造りから解る米麹甘酒と酒粕甘酒違い

現在、一般的に広く普及しているのが、米麹を使用した米麹甘酒です。しかし、その印象はアルコールが入っている、酒粕のような香りが苦手など、未だに酒粕を使用した酒粕甘酒の特徴と混在して覚えられています。
そこで日本酒造りから米麹甘酒と酒粕甘酒の違いを見ていこうと思います。
日本酒は、澱粉(米)を米麹で糖化して、糖を酵母が食べてアルコールに変える事で造られます。
前半の『澱粉を米麹で糖化して』の段階で出来るのが米麹甘酒です
そして、後半の『糖を酵母が食べてアルコールに変える』の段階で日本酒と酒粕が出来、酒粕を湯に溶かして味を整えたものが酒粕甘酒です。
 

米麹甘酒と酒粕甘酒の原材料とその特徴

この様に説明すると次の米麹甘酒と酒粕甘酒の原材料と特徴の違いが判り易いと思います。
米麹甘酒と酒粕甘酒の原材料とその特徴つまり、米麹甘酒は麹の酵素によって澱粉が糖に変わった飲み物で、お酒に由来する要素はなく、天然の甘さが楽しめます。酒粕甘酒は麹が造った糖が酵母によってアルコールに変えられた後の飲み物なので、お酒の要素があり、天然の甘さがなくなっているので砂糖で甘味を付けるのです。
 
実際に市場に出回っている米麹甘酒(アルコール0%)および酒粕甘酒(アルコール分1%未満)は、いずれも法律上は酒類ではなく『清涼飲料水』です。しかし、法律上の清涼飲料水という規定はアルコール分1%未満であれば良いので、実は酒粕甘酒には、ごく僅かにアルコールが含まれており注意が必要となります。
※しかし、私は子供の頃に、酒粕の甘酒をよく飲んでいましたが特に気になりませんでした。
しかし、甘酒がお酒である様な誤解の原因はまだあるのです!
 

名前って凄く大切ですよね?~酒と付いているが為にあらぬ誤解を受けている~

甘酒がお酒である様な印象を持たれるのは酒粕甘酒だけが原因ではありません!そもそも『甘酒』という綴りに『酒』という文字が入っているので、知らない人からしたら、酒であると思うのが自然なことです。
その為、甘酒を販売する企業では、酒のイメージを如何に無くすかの工夫が日夜なされています。例えば、甘酒を平仮名表記で『あまざけ』や『あまさけ』、または全く違う名称にしてしまったりなどが挙げられます。
 

酒粕の良い所を活かした欲張り甘酒

基本的な大きな分け方は、この様になり、主に酒粕の甘酒が苦手だからという理由で、米麹の甘酒までも食わず嫌いになってしまっている人が非常に多いと感じています。しかし、酒粕の甘酒が好きと言ってくれる方もいる様に、酒粕甘酒には酒粕甘酒だけにしかない美味しさがあります。
そして、そんな酒粕甘酒の良い所を米麹甘酒に活かした商品が存在します!
それは、米麹と酒粕の両方を用いた甘酒で、私が勝手に命名しましたが、『ハイブリッド甘酒』です。
ハイブリット甘酒のとってもお得な処は、酒粕と米麹の香りや味わいが楽しめる事です。その反面、砂糖が加えられていたり、アルコールが1%未満ですが含まれているという酒粕甘酒の好まれない特徴も併せ持っていますが、それを差し引いても美味しい甘酒です!
米麹と酒粕の甘酒の特徴を併せ持ったハイブリッド甘酒

最後に

甘酒には米麹甘酒、酒粕甘酒、両方の良い所を活かしたハイブリッド甘酒の3種類があります。米麹甘酒と酒粕甘酒は、『甘酒の基礎1:甘酒の歴史』でお伝えしたように、双方共に1300年以上の歴史があり、現在まで残り続けてきました。
どちらにも良い所があるので、1300年以上も存在してきた…そう考えると、双方の違いを理解して楽しむのも面白いのではないでしょうか。