酵母とはなんなのか~仕事終わりに幸せになれるのはこいつのおかげ~

酵母とは、日本の醸造業界ではSaccharomyces属の真菌を指すことが多く、日本酒、ビール、ワイン、漬物、味噌、醤油、パンなどありとあらゆる醸造業界で用いられています。しかし、この酵母は働きを麹カビと間違われたり、酵素の事かと勘違いされる可哀そうな奴らでもあります。今回は、この酵母という生き物について話していきます。

この酵母とは単細胞性の菌類(真菌)の事を指します。

菌類(真菌)と言えば、ピンと来る方はカビを思い浮かべるのではないでしょうか?

カビは多細胞性の菌類(真菌)の事で、カビの一生の中には、酵母の様な形態になって過ごす時期もあるほどで、その逆も然りです。そして、酵母にもカビの様な多細胞性の形態を示す種類がいるのですが、基本的にカビとの違いは単細胞生物であるという事くらいなのです

 

そして清酒製造に使われる麹カビ(Aspergillus属)と酵母(Saccaromyces属)は共に、有性生殖をした際には子のう胞子という種(タネ・子孫)を作る『子のう菌類』という同じグループに属しています。

このSaccaharomyces属の酵母達は、菌糸の形態はせず、繁殖方法は、体のあちらこちらから自分が生えてくる『出芽』という方法を取ります。

また、糖を食べてアルコールと炭酸ガスを造り出すので、お酒にアルコールを加えたり、炭酸ガスを与えビールやシャンパンの様に発泡性を持たせたり、パンを膨らませてフカフカの生地を作る助けをしたりするのも酵母のおかげなのです。

このアルコールと炭酸ガスを出す作用は、酵母による発酵の結果だと覚えてもらえれば麹カビの働きと混同することがないのでわかりやすいかと思います。

 

偶にある事なのですが、市販の甘酒を購入した際に、容器がパンパンになっていたり、液がシュワシュワしているのは、大体、酵母による発酵が原因です。

 

お酒やパンを造る時には有用微生物である彼らも意図しない場合に混入すると有害微生物扱いされてしまうところが、発酵食品を取り巻く、食品の世界の面白いところです。


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