麹カビとはなんなのか〜そしてここから伝える甘酒の種類〜

麹カビとは、日本の醸造業界では主にAspergillus属のカビを指します。このカビとは多細胞性の菌類(真菌)の事を指し、糸状の菌糸と言う構造を基本とする生き物で、糸状菌とも呼ばれます。

この麹カビは業種や造る酒によっていくつかの種類が用いられます。その分類は、基本的には、カビが作る胞子の色、ぱっと見の色です。

 

黄緑だと→黄麹

白だと→白麹

黒だと→黒麹

と言った区別が一般的になされています。

 

しかし、同じAspergillus属のカビではあるけれど、色の違いだけではなく、それぞれ違った性質を持っています。

黄麹は、A.oryzae(オリーゼ)と言う菌で、特に酸味とかはありません。

しかし、白麹はA.kawachi(カワチ)、黒麹はA.awamori(アワモリ)(現、A.luchuensis)と言う、酸味のもとであるクエン酸を作る菌種なのです。

 

酛(酒母造り)の所でも話しましたが、雑菌を抑えるために酸味のもとである乳酸を利用しています。

このクエン酸も役目は同じで、雑菌の繁殖を抑える目的の為に重宝されていた背景があり、暖かい地方の酒、泡盛や九州地方の焼酎造りに活かされていました。

そして、このクエン酸の酸味が特徴的な白麹や黒麹を用いた甘酒があります。そう、酸味のある甘酒は乳酸発酵甘酒だけでなく、白麹甘酒黒麹甘酒と言ったジャンルもあり、これが、酸味のある甘酒のほぼ全てです。

あとは、大体が黄麹甘酒といった具合なのですが、この黄麹甘酒も麹を造る時に使われる菌種の違いや、造り方の違いで、大きく性質が変わり、これが現在の甘酒にさらなる多様性をもたらしています。

米麹甘酒の種類 アルコールの有無 備考
黄麹甘酒 普通の米麹甘酒 無し 特に無し
白麹甘酒 白麹使用の米麹甘酒 無し クエン酸の酸味あり
黒麹甘酒 黒麹使用の米麹甘酒 無し クエン酸の酸味あり
乳酸発酵甘酒 米麹甘酒を乳酸発酵させた甘酒 無し 乳酸の酸味あり

この黄麹、白麹、黒麹といった麹の区分は主に清酒醸造の業界で良く聞かれます。この他、日本では麹菌としては、醤油業界でA.sojae(ソーヤ)、醤油や味噌業界でA.tamarii(タマリ)が用いられています。もちろん、A.oryzae(オリーゼ)でも醤油や味噌を造る事が出来ますが、上記2種はそれぞれの製造に特化した菌種になります。

 

この様に麹カビと言っても、日本で使われている菌種に限定しても様々な種類や特性を持ったものがあり、使い分けられています。

ただ、甘酒によく使われているのは、黄麹(オリーゼ)、白麹(カワチ)、黒麹(アワモリ)と覚えておくと大体を網羅できるので、知っておいてもいいのではないでしょうか。


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