黒ぶ~Logその52:ボジョレヌーボーの甘酒版『大吟醸甘酒ヌーボー』の試飲会に参加した話

ボジョレヌーボーの甘酒版『大吟醸甘酒ヌーボー』の試飲会

甘酒造りを始めて20年以上の甘酒探求家黒猫クロぶーです。今回は甘酒情報を発信するメディアとして、株式会社ベストシーンが発売する大吟醸甘酒ヌーボーの試飲・発表会に招待され、参加した話です!

今年が誕生年!甘酒ヌーボーとその解禁日

大吟醸甘酒ヌーボーとは

和歌山県の農業法人『ベストシーン』が、米の消費量と米農家の激減を知り、6次産業化商品として企画したものです。この甘酒は和歌山県の株式会社ベストシーンが運営する長野県の田んぼで取れた新米を、長野県に古くからある酒蔵『仙醸』が、精米歩合50%(大吟醸規格)まで米を削り、麹のみで仕込んだ贅沢な一品です。

精米歩合とは原材料のお米を玄米からどれだけ削って残ったのかという指標です。

お米は表層に近づくにつれて、脂質やタンパク質を多く含んでおり、お酒を造る際にこれが独特な香りや雑味などの味として影響を与えます。精米歩合を低くする、つまり米粒を削っていくことにより、それらの影響を抑え、すっきりとした綺麗な味わいにすることができます。
精米歩合50%の大吟醸規格とは?
具体的に食用米で精米歩合90%前後、本醸造規格で精米歩合70%以下、吟醸規格で精米歩合60%以下、大吟醸規格で精米歩合50%となり、かの有名な日本酒『獺祭』ですと、凄いもので精米歩合23%という超贅沢な商品まで存在しています。

 

大吟醸甘酒ヌーボーの解禁日

大吟醸甘酒ヌーボーはやはり、その名前から、有名なワイン(ボジョレーヌーヴォー)を踏襲しており、ボジョレーヌーヴォーの解禁日は毎年11月第三木曜日です。

甘酒ヌーボーの日

気になる大吟醸甘酒ヌーボーの解禁日は、24節気の小雪(今年は11月22日)で、日本記念日協会により『甘酒ヌーボーの日』として認定されています。

 

 

24節気とは1年を24等分し季節を表す名称を付けたものです。20番目の小雪は11月21~23日間(主に11月22日)で、雪が降り始める頃の意味合いがあります。その他、24節気で馴染みのある物には、立春、立夏、立秋、立冬や春分、夏至、秋分、冬至などが挙げられます。

極稀に11月23日が小雪の年もあり、ちょうどその日は宮中祭祀の新嘗祭(勤労感謝の日)という収穫祭が執り行われる日でもあります。

日にち的にも、日本の収穫祭の日に近く、祭祀の御神饌として馴染み深い甘酒としては、丁度良い日なのではないでしょうか?

 

大吟醸甘酒ヌーボーの会見を聞いて

鈴木社長より、甘酒ヌーボーの開発背景や今後の展望のお話しがありました。

甘酒ヌーボー試飲会_年間米消費量
ここ50年間で人口は0.98億人から1.28億人と3000万人増えたのに対し、米の消費量は国民一人当たり約120㎏から約55㎏に減少し、さらに米農家は1/5まで減少してしまったそうです。

 

実際に、長野県信濃町でお米の生産をされていますが、大変な割には儲からないという現状を体験されたそうです。よく話を聞く、子供が家業を継がずにサラリーマンになってしまうという事もこの様な現状から来るのでしょう。

米農家の減少とそれを食い止めるための手段として、米を用いた商品のイベント化(農業を盛り上げる企画)を考え、今回の大吟醸甘酒ヌーボーの誕生に至ったそうです。

大吟醸甘酒ヌーボーのイメージ

僕個人も、農業を体験したわけではありませんが、全国の甘酒祭に足を運び、地域の方々に混ぜてもらい、話を伺う中で、若い人はサラリーマンになってしまい、農業を継がず、地域に祭りの継承にも非常に大きな影響を及ぼしている現状を目の当たりにしてきました。

農業は人が生きるのに必須である食料を賄う商いであり、時代が変わってしまったから廃れていいものではないはずです。

 

今回の会見からはそんな農業の現状から、甘酒ヌーボーをきっかけに地域の活性化につなげたいといった鈴木社長の考えを聞くことができました。

 

そう云った背景を聞きながら、今まで考えていた視点と違った方向から甘酒と向き合う機会を得られたことに感慨深さを感じ…

ボジョレヌーボーの甘酒版『大吟醸甘酒ヌーボー』お土産

っと、深々と頭の中で色々考えた末に、新米で造られた甘酒ヌーボーを堪能しました♪(笑)

 

本家ボジョレーヌーヴォーと言えば、これを語らずに楽しめない!

ボジョレーヌーヴォーと言えば、毎年、今世紀最高の出来やここ10年で最高の出来など特徴的なキャッチコピーが世間を賑わしているかと思います。

その言葉の出所は、フランスのボジョレーワイン委員会の品質予想を元に、日本の販売業者が謳っているようです。

やはり生産者が付けるのではなく、他者がその味を吟味した上で、その年の作品を表す言葉を刻むべきだと、甘酒探求家としては思う訳です(笑)

23年以上の甘酒人生とその味の記憶を総動員して相応しいキャッチコピーを付けようではありませんか!!

2018年の大吟醸甘酒ヌーボーのキャッチコピーはズバリ!

『新米の香り立つ、癖の無いあっさりとした甘いひとしずく』

精米歩合が高い為か、非常に癖がなく、あっさりすっきりとした味わいで、発酵食品らしい味わいを期待すると控えめな感じもしますが、独特な香りが苦手な方にはすんなり飲んで頂ける一品であるという感想を抱きました。

※詳しい甘酒の味わいのレビューは『市販甘酒レビュー380:ベストシーンの米麹甘酒『大吟醸甘酒ヌーボー』』にて!

このキャッチコピーは毎年付けていこうと思います♪