甘酒のアルコールの有無は日本酒の作り方から理解しよう!

甘酒には大きく分けて米麹甘酒と酒粕甘酒があることを説明しましたが、『どちらも酒と付いているからアルコールが入っているんじゃないの?』という事をよく質問されます。そうなのです!甘酒は『酒』と付いているため、アルコール飲料だと思っている方が多いのです。しかし、実際はアルコールが含まれている可能性のある酒粕甘酒でもアルコール度数1%未満の清涼飲料水の規格で販売されています。甘酒は『酒』と付いているけど酒粕甘酒も米麹甘酒も日本の法律の規格上は清涼飲料水なのです。しかし、米麹甘酒はノンアルコールで、完全にアルコール0%であるのに対し、酒粕甘酒は完全に0%ではないのも事実です。今回はそんな甘酒のアルコールの有無を日本酒の造り方から説明しようと思います。

日本酒の造り方を見てみよう!

米麹甘酒はアルコールが入っていない、酒粕甘酒はアルコールを若干含んでいると説明しましたが、より簡単に理解するには『日本酒の造り方』を参考に説明するとわかりやすいです。日本酒は、麹カビの酵素で糖が作られ、そこに糖を食べてアルコールを作る酵母が活躍して造られています。この『麹による糖化』を前半、『酵母によるアルコール発酵』を後半と二分割して考えてください。

日本酒の造り方から甘酒の違いを理解しよう!

ここで甘酒の話に戻します。

前半の『麹による糖化』で、米に米麹を加えてできる甘い液体が『米麹甘酒』です。

後半の『酵母によるアルコール発酵』で、甘い液体に酵母が入り、糖からアルコールが作られるとお酒になります。この段階では、ドブロクの様な米・麹・酵母由来の固形分が入った状態なので、液体部分と固体部分に分けます。この液体部分が私たちが良く知る『日本酒』、個体部分が私たちが良く知る『酒粕』として世に出回っているのです。そして、この時にできた、お酒の絞り粕である酒粕を水に溶かして砂糖で甘味を付けた飲み物が『酒粕甘酒』なのです。

 

まとめ

最後に、おさらいで、日本酒の造り方から甘酒の種類を理解することは、醸造学的にも適切であり、非常にわかりやすいかと思います。

 

麹による糖化、酵母によるアルコール発酵で

日本酒になる

 

前半の『麹による糖化』は、麹カビが作り出した酵素の作用による糖化で、この段階ではアルコールは発生しません。後半の『酵母によるアルコール発酵』、これを経ることで初めてアルコールが発生するのです。

麹が糖を作り、酵母がアルコールを作る

 

この2つの事さえ覚えておけば、甘酒のアルコールの有無に関しては完璧です。

 

※最後に…

今回は日本酒の製造工程から甘酒のアルコールの有無を理解しやすいように簡略化してあります。実際の日本酒の製造工程は『前半:麹による糖化』と『後半;酵母によるアルコール発酵』を同時並行で行う『並行複発酵』という形態をとりますが、『へー、そうなんだー』くらいに捕らえていただけると良いかと思います。

しかし、お酒の発酵形式の分類用語ですので、実はこのキーワードについて知っているとお酒についても詳しくなることが出来ます。もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事『並行複発酵から伝える醸造酒の三つの発酵形式』をご参照ください。

 


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