黒ぶ~Logその44:NPO法人カビ相談センターの会誌『かびと生活』のエッセイの執筆をした話

甘酒造りを始めて20年以上の甘酒探求家黒猫クロぶーです。今回は、NPO法人カビ相談センターの会誌『かびと生活』のエッセイの執筆をした話です!

甘酒探求家が、なぜカビに関してと思われるかもしれませんが、甘酒造りは麹菌というカビを用いて造った食材『麹』が欠かせません。
一口にカビと言っても、例えば、桜にも吉野桜、枝垂桜、八重桜などの種類がある様に、使うカビの種類を変えることで、違った性質の米麹を造る事ができます。黄麹はアスペルギルス・オリーゼ、黒麹はアスペルギルス・ルチエンシス・アワモリ、白麹は黒麹の白色変異種でアスペルギルス・ルチエンシス・カワチと言った具合に、使うカビの違いによって甘酒の分類が増えます。

また甘酒は、江戸時代に『醴』と書いて『あまざけ』と読み、現代の甘酒と同じような飲み物が飲まれていました。この醴という文字は、日本で初めてカビを用いた酒造りを記した文献である播磨国風土記と同時期に世に出た日本書紀にも見られ、その歴史は酒造の文化と密接に繋がっています。また明治時代には高温糖化酛の前身として、醴酛という甘酒造りを応用した酒造りの技術が見られます。

この様に甘酒はカビを基本とした飲み物であり、その歴史は麹や清酒の歴史と共に刻んできたと言っても過言ではありません。

今回は今挙げたように、麹菌を中心とする微生物の話、醴という文字を本流にその歴史を紐解いた話、この二点を軸に執筆を行いました!

様々な文献を読み漁り、今までに集めた甘酒の情報と睨めっこをしながら、楽しく推敲させていただきました。お陰様で、今後、やりたいことや目標も増えました(笑)

書いた話は、本誌の11巻1号(2018年6月)と11巻2号(2018年12月)に掲載予定です。

この様な機会を頂けましたカビ相談センター代表高鳥浩介先生及び編集に携わっていただいた方々に御礼申し上げると共に、今後も励んで参りたいと思っております。