甘酒祭15:岐阜県郡上市の千虎白山神社の甘酒祭

千虎白山神社の境内

甘酒との所縁

千虎白山神社について

千虎白山神社は、長良川沿いを走る長良川鉄道越美南線の相生駅近くの国道156号線沿いに鎮座しています。

主祭神は伊邪那美命、そして摂社に伊邪那岐命と菊理姫命が祀られています。

当社の起源は、奈良時代初期の養老元年(717年)に越中の僧・泰澄が白山を開山し、白山信仰の布教を基に、養老年間(717~724年)に創建された非常に古い歴史のある神社です。

 

千虎甘酒まつりの起源

甘酒祭りの起源は400年以上前の江戸時代初期からと伺い、古くから白山信仰の美濃馬場で『一に長滝お蚕祭・二には千虎の甘酒祭り』と言われた春一番に行われる祭りです。

地域住民宅から1軒の当元を定め、その年の祭事に使用する甘酒を当本宅で1週間前から仕込み始めます。10年前までは神田(社有田)で稲を育てて甘酒を作っていたが、今は地元のお米を使って仕込んでいるそうです。

千虎白山神社の甘酒祭~来年の当番決め~

古い文献には『毎年抽籤を以て其の醸造者六名を定め、定められたるものは之を謹製して…』とあり、現在も翌年に甘酒の番を担当する当元さんを、ご神事を一通り終えた後に、稲藁によるクジ引きで決めます。

 

 

千虎白山神社の甘酒祭~皆のやかん~

 

かつては甘酒6斗(108ℓ)余を社前の大釜で煮立て、村人一人一人が名を呼ばれてお椀一杯の甘酒を飲み、全員が飲み終わると、残りの甘酒を飲み干したそうです。 現在は、多くの方がやかん等に入れて持ち帰っています。

 

甘酒祭の感想

2019年3月3日の千虎甘酒まつりの感想

千虎白山神社近くの長良川本日は2019年3月3日(日)で、空は曇り空ですが空は眩しく、気温はなんと10℃程とあまり寒くない陽気です。

ここ最近、鼻や目がムズムズし、クシャミが出る季節性の病に見舞われている様に、春の訪れを感じさせられます。

昼の祭り開始時には雨が降り始め、鼻のムズムズも幾分か和らいだ様子…神様の計らいに感謝し、いざ甘酒祭りへ!

千虎白山神社の甘酒祭~御神饌の列~12:00から公民館で獅子舞が舞われた後に、御神饌を持った列が神社に向かって、その後を神輿を担いだ列が続きます。御神饌を持った方々及び宮司さんは、口に榊の葉を加えて歩いています…はて?どのような意味があるのか…

伺ったところによると、神様にお供えする御神饌に息が掛らない様にするためなのだとか。

行列に付いていく際に、周りの家々に水を貯める水槽に永遠と水が注ぎこまれている様子を良く拝見しましたが、この地域では湧き水等を水槽に溜めて使用しているのだとか…
用水路を流れる水に至るまで、非常に綺麗な水が流れていました。

千虎白山神社の甘酒祭~伊勢神楽~

13:00から神社の社殿にて式典を開催し、しばらくしてから獅子舞の奉納が始まります。

獅子舞の奉納の前に、『東西~、東西~、天下泰平、国土安穏、五穀豊穣、氏子繁盛として、白山様へ伊勢神楽舞い始められ候や~』との掛け声が読み上げられます。

千虎白山神社の甘酒祭~直会の甘酒~
14:00に式典と獅子舞が終わると参拝者および氏子の方々に甘酒が振る舞われます!待ってましたと言わんばかりに甘酒には人だかりが…

その間に来年の当番(甘酒を造る家)を決める為の籤引きが執り行われています。

 

甘酒の味は、麹の独特な香りと仄かな酸味のある美味しく飲み易い甘酒でした!やや、塩が良く利いている気もしましたが、寒い中、大釜を煮立てる火の傍で飲む熱々の甘酒は格別です!

千虎甘酒まつりの情報

開催日:3月第一日曜日開催(2019年は3月3日)(12:00~公民館にて獅子舞、13:00~社殿にて式典、及び獅子舞奉納、14:00~甘酒振る舞い)

最寄り駅:
①長良川鉄道越美南線の相生駅から徒歩13分
②JR岐阜駅から岐阜バス(高速八幡線)に乗り、ホテル郡上八幡下車、徒歩4分

住所:岐阜県郡上市八幡町吉野570

参考サイト:岐阜県神社庁郡上市観光連盟公式サイト(郡上満喫)